ベルクソン『記憶理論の歴史――コレージュ・ド・フランス講義 1903-1904年度』(藤田尚志・平井靖史・天野恵美理・岡嶋隆佑・木山裕登訳)書肆心水、2023年。
新資料に基づくコレージュ・ド・フランス講義の邦訳、『時間観念の歴史——コレージュ・ド・フランス講義1902-1903年度』に続く第二弾です。
目 次
校訂者序 記憶から自由へ アルノー・フランソワ
第1講 分析と直観
第2講 記憶と知覚の差異
第3講 連合説の検討
第4講 脳と再認
第5講 三つの再認
第6講 記憶の諸平面
第7講 夢と覚醒
第8講 心の病について
第9講 注 意
第10講 注意と記憶の能動性
第11講 連合主義心理学の理論的起源
第12講 記憶と脳状態の関係について
第13講 随伴現象説の諸困難
第14講 〔記録が失われている〕
第15講 古代の心理学のある形而上学的基盤
第16講 古代の知覚論・記憶論
第17講 デカルト主義への歩み
第18講 近代形而上学の並行論
第19講 形而上学的並行論の科学への浸透
訳者解説 平井靖史
訳者あとがき 藤田尚志
人名索引
Bergsoniana第3号。
2021年に福岡で開催したグローバルベルクソニズムのアジア編。ベルクソンとアジアの出会いに関わる魅力的な論考が詰まっています。
また、パトーチカのベルクソン関連テクストも含まれています(たいへん貴重)。
私は編者として序言を書いています。
オンラインでも無料で読めますのでどうぞ。
2023年5月刊行予定。
Hirai, Y (ed.) Bergson's Scientific Metaphysics: Matter and Memory Today. Bloomsbury
レビューより:
「『ベルクソンの科学的形而上学』によって、我々は今巻き起こっているベルクソン回帰において不可欠なテキストを得ただけでなく、『物質と記憶』をしかるべき場所に——時間の形而上学と心の哲学における最も重要な議論の中心に——戻す徹底的な分析を手にしたことになる」
——ジョン・オ・メロウカ John Ó Maoilearca(英国、キングストン大学哲学教授)
「『ベルクソンの科学的形而上学』は、16の章を通して、ベルクソンの思想、特に彼の難解な『物質と記憶』が、いかに現代の認知科学に関連し続けるかを示している。『ベルクソンの科学的形而上学』は、科学は絶対的なものに到達するというベルクソンの主張を裏付けるものである。ベルクソン自身も本書を非常に誇りに思っていることだろう。」
——レナード・ローラー Leonard Lawlor(アメリカ、ペンシルベニア州立大学哲学教授)
「本書は、ベルクソンの時間と記憶に関する形而上学を現代的に理解するために、著名な国際的研究者の大規模なチームによる重要な貢献を収録しており、真の問題や課題に対してさまざまな新しい視点を提供するとともに、根強い誤解を解いている。ベルクソン研究にとって極めて重要なテキストである。」
——マーク・シンクレア Mark Sinclair(英国、クイーンズ大学ベルファスト校哲学科講師)
「平井靖史は、ベルクソン作品の先鋭的かつ権威ある読解者である。彼は、記憶と知覚に関する最新の考察において『物質と記憶』がいかに実り多いものであるか、そこに正しく注意を向ける非常に貴重な論集をキュレートしている。持続のうちでものを考えようとするすべての人にとって、本論集はインスピレーションの源となる。」
——カテリーナ・ザンフィ Caterina Zanfi(フランス国立科学研究センター(CNRS)研究員、国際ベルクソン協会会長)
【翻訳】ベルクソン『時間観念の歴史 コレージュ・ド・フランス講義 1902−1903年度』(藤田尚志・平井靖史・岡嶋隆佑・木山裕登 共訳)書肆心水
が発売されました。
新しく発見された口述筆記記録に基づく新資料。脂ののった時期のベルクソン本人の口から、生き生きと語られる「時間の哲学史」。
コレージュ・ド・フランスの講義、しかも口述筆記からの再現なので、資料的にも内容的にも最高の状態です。現時点で最高のベルクソン入門でもありますが、哲学史・時間の思想史に関心ある人は、みなさん唸ることになると思います。どこかで聞いたような既存の類品とはまったくちがう講義へ、ようこそ。
書肆心水のウェブサイトでは序文と本文の一部を読めます。
NEW!
『週刊 読書人』第3287号に掲載されている近藤和敬さんによる『再起動』書評が、こちらよりWEBで読めます。
小関彩子さんによる『解剖』書評と、青山拓央さんによる『診断』書評も合わせてご覧ください。
NEW!
PBJ『物質と記憶』研究の最終巻となる『ベルクソン 『物質と記憶』を再起動する』、12月25日に発売です。
※完売していて、問い合わせの多かった第一弾『解剖』も併せて増刷されます。この機会に是非『解剖』『診断』『再起動』、三冊お揃え下さい。
『再起動』の目次・序論・索引を以下でお読みいただけます。
http://www.shoshi-shinsui.com/SPL186.pdf
なお『診断』は、amazonでは品切れor高値になっていますが、出版社在庫はありますので、ご注文いただければ他の本屋では定価でご購入いただけます。
以下はhontoのリンク:
-----book information-----
Yasushi Hirai, Hisashi Fujita, Shin Abiko (eds.),
Berukuson Busshitsu to Kioku wo Saikidou suru: Kakuchou Berukuson-shugi no Shotembou (Rebooting Bergson's Matter and Memory: Multidisciplinary Perspectives on Expanded Bergsonism)
Tokyo:Shoshi Shinsui, 2018.
NEW! 『『物質と記憶』を診断する』について、日仏哲学会会誌『フランス哲学・思想研究』に、立教大学の國領佳樹さんによる書評が掲載されました。こちらでお読みいただけます。
『『物質と記憶』を診断する』について、『週刊読書人』2018年1月27日号に、京都大学の青山拓央さんによ
る書評が掲載されました。こちらでお読みいただけます。
『『物質と記憶』を解剖する』について、日仏哲学会会誌『フランス哲学・思想研究』北海道大学の村松正隆さんによる書評が掲載されました。こちらでお読みいただけます。
ベルクソン『物質と記憶』を診断する
平井靖史・藤田尚志・安孫子信 編
2016年11月に開催された第二回国際シンポジウム(PBJ通算第八回)の論集、『解剖』の続編となります。
拡張ベルクソン主義宣言!
第二弾
時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされてきた『物質と記憶』を、隣接諸領域の最新成果と接続しつつ現代的に読み解く野心的試み。そのさらなる展開!
目 次
序論……平井靖史
第1部 読解の諸問題
潜在性とその虚像――ベルクソン『物質と記憶』における潜在性概念……村山達也
『物質と記憶』と形而上学の直観的再興――純粋理性の第四誤謬推論と第一・第二アンチノミー……カミーユ・リキエ(天野恵美理訳)
《コラム》「永いあいだ客として遇されてきた異邦人」――リキエによるベルクソン的カント主義解釈をめぐって……藤田尚志
記憶の場所の論理――『物質と記憶』における超図式論と憑在論……藤田尚志
過去は何故そのまま保存されるのか――『物質と記憶』の記述の多層性について……檜垣立哉
《コラム》記憶力の二形態……村山達也
第2部 心と時間
ベルクソンにおける在ること・夢見ること・見ること……バリー・デイントン(木山裕登訳)
《コラム》いかにして記憶は感覚を生み出すのか――形相からの質料の「発出」……清水将吾
〈時間的に拡張された心〉における完了相の働き――ベルクソンの汎質論と現象的イメージ……平井靖史
《コラム》心の出現――散逸構造と持続……永野拓也
第3部 科学との接続
『物質と記憶』と深層学習……デイヴィッド・クレプス(齋藤俊太訳)
空間的神経表象から時間的圧縮過程へ……太田宏之
《コラム》直接実在論と神経上の時間圧縮についてのベルクソンの議論――デイントン教授と太田教授へのコメント……マイケル・R・ケリー(山根秀介訳)
記憶力と脳――ベルクソンの誤り……ジャン=リュック・プチ(原健一+田村康貴訳)
ベルクソンの第一の記憶を理解する試み――フロイトの記憶論と知覚失認(精神盲)の自験例を導きの糸として……兼本浩祐
《コラム》エーデルマンとフロイト、そしてベルクソン……三宅岳史
第4部
芸術・道徳への展開
現在の脆さ――ベルクソンと河原温……ユリア・ポドロガ(持地秀紀訳)
《コラム》芸術の現在と時間の隘路……増田靖彦
生への注意――『物質と記憶』における道徳性の進化……マイケル・R・ケリー(山根秀介訳)
人名索引・事項索引
-----book information-----
Yasushi Hirai, Hisashi Fujita, Shin Abiko (eds.),
Berukuson Busshitsu to Kioku wo Shindan suru: Jikan Keiken no Tetsugaku, Ishiki no Kagaku, Bigaku, Rinrigaku eno Tenkai (Diagnoses of Bergson's Matter and Memory: Developments toward the Philosophy of Temporal Experience, Sciences of Consciousness, Aesthetics, and Ethics)
Tokyo:Shoshi Shinsui, 2017.
(2017.02)週刊読書人にて、和歌山大学の小関彩子さんによる書評をお読みいただけます。こちらから。
平井靖史・藤田尚志・安孫子信 編
ポール=アントワーヌ・ミケル(米田翼訳)/三宅岳史/ジョエル・ドルボー(木山裕登訳)/藤田尚志/合田正人/スティーヴン・E・ロビンズ(岡嶋隆佑訳)/河野哲也/檜垣立哉/セバスチャン・ミラヴェット(山根秀介訳)/平井靖史/バリー・デイントン(岡嶋隆佑訳)/岡嶋隆佑/伊佐敷隆弘/エリー・デューリング(清塚明朗訳)/郡司ペギオ幸夫
書肆心水、2016年11月
Amazon に掲載されております。
書肆心水ホームページ内特設ページにて、詳細目次・索引のほか、藤田尚志さんによる「はじめに」と平井による「序論」の一部を読むことが出来ます。平井の序論では、『物質と記憶』が現今の状況でなぜ脚光を浴びることになっているのかについて、できるだけ分かりやすく書きました。一読いただければ幸いです!
目 次
はじめに……藤田尚志
序論……平井靖史
第1部 記憶と心身問題(科学認識論・汎心論・局在論)
外界の存在について……ポール=アントワーヌ・ミケル(米田翼訳)
ベルクソンと「記憶の科学」の台頭……三宅岳史
現代から見るベルクソンの二元論……ジョエル・ドルボー(木山裕登訳)
《コラム》ベルクソンの未来……藤田尚志
記憶と歴史――リクールからのベルクソン再読……合田正人
第2部 知 覚(アフォーダンス・認知科学・現在意識)
ベルクソン、ギブソン、そして外界のイメージ……スティーヴン・E・ロビンズ(岡嶋隆佑訳)
ベルクソンと生態心理学――身体の記憶と宇宙の記憶……河野哲也
《コラム》アフォーダンスとベルクソン……檜垣立哉
哲学と認知心理学を定義する――ベルクソン哲学の知覚理論とブルーナーの認知心理学の分析を通して……セバスチャン・ミラヴェット(山根秀介訳)
現在の厚みとは何か?――ベルクソンの二重知覚システムと時間存在論……平井靖史
第3部 時 間(分析形而上学・物理・出来事存在論)
中立一元論、時間経験、そして時間――ベルクソンへの分析的視座……バリー・デイントン(岡嶋隆佑訳)
ベルクソンにおける収縮概念について――デイントンおよび平井へのリプライ……岡嶋隆佑
何が記憶を一列に並べるのか?……伊佐敷隆弘
共存と時間の流れ……エリー・デューリング(清塚明朗訳)
《コラム》持続と時間……三宅岳史
知覚と記憶の接続・脱接続――デジャビュ・逆ベイズ推論……郡司ペギオ幸夫
《コラム》ベイズ推論と逆ベイズ推論……三宅岳史
《特別付録》われらベルクソン主義者
京都宣言……エリー・デューリング ポール=アントワーヌ・ミケル(藤田尚志訳)
後書きにかえて……安孫子信
人名索引・事項索引
-----book information-----
Yasushi Hirai, Hisashi Fujita, Shin Abiko (eds.),
Berukuson Busshitsu to Kioku wo Kaibou suru: Gendai Chikaku Riron, Jikan-ron, Kokoro no Tetsugaku tono Setsuzoku (The Anatomy of Bergson's Matter and Memory: Connections with the Contemporary Theories of Perception, Mind and Time)
Tokyo:Shoshi Shinsui, 2016.